インスペクション(住宅診断)のススメ

2022年12月22日

ホームインスペクション。日本語では住宅診断。

 

中古住宅を購入する際には、一度実施を検討いただきたい工程です。

 

【インスペクション・住宅診断とは?】

 

「住宅診断」の名の通り、法律で決まった箇所を建築士などの資格を持った「インスペクター」が検査・診断することを言います。

インスペクター

インスペクションをすることにより、

 

売りたい人:明確な診断書付きの物件として中古住宅特有の「何が隠れているか分からない」点を払拭でき、売りやすくなる。

 

買いたい人:物件の欠陥などが無いかが分かる。リフォームを優先的にする箇所の選定をしやすくなる。

 

両者ともにこのようなメリットが生まれます。

 

 

ただ正直、業界的に課題も多いと個人的には感じています…。

 

●費用が掛かる

→特に売りたい方は費用を出してまでやらない方が多いです。この気持ちは良く分かります。

 

●人気物件は契約前にインスペクションをしている暇がない

→物件購入は原則「早い物勝ち」なので、検査をしているうちに他の人に購入されてしまうなんてことも…。これは非常に難しい問題です。

 

●インスペクターの質

→皆さん有資格者で凄いのは間違いないのですが…。

インスペクターの「質」とは?

私自身、前職の会社に勤務している時を含めると10人以上のインスペクターを50件を超える現場で見てきました。

 

正直、少し前までは「誰に頼んでも同じでしょ!」と思っていました。

 

しかし、約一年前にお客様自身で連れてこられたインスペクターの仕事振りを見て、その考えは180度覆されました。

 

当時、その現場はなんと…新築建売住宅。

いや正直、「やる意味ないのでは?」と当時は思ってしまいました。ゴメンナサイm(__)m

 

室内の見えるところはもちろん、床下・屋根裏や外回りも点検を済ませ…

お待ちかねの結果報告の時でした。

 

(「問題無し」だろうな…)

 

「正直、かなり良く出来ている方かと思います。ただ、何点か指摘箇所があります。(写真を見せながら)本来、この〇〇という部分は〇〇の役割を担っていて、〇〇という部材がここにあるべきなのですが、それがありません。これはこの売主さんの仕様なのかもしれませんが、指摘させていただきました。」

という感じ。。

 

内容はかなり専門的&細かいところなのでここでは省略しますが、本当に驚きました。

また、専門的&細かいのは間違いないのですが、誰が聞いても分かる言葉遣いとその箇所の写真を用いたその場での説明。

素晴らしいの一言。「これぞプロの仕事。」と感銘を受けたのをハッキリと覚えています。

 

※因みに、その指摘を新築建売住宅の売主さんへ伝えたところ、指摘通りの施工をしていただいた上での引渡しとなりました!

感動

そして先日、そのインスペクターの方に中古住宅のインスペクションをしていただきましたが、改めて「インスペクションの意義」に気付かされました。

インスペ報告書

こんな感じの報告書も発行され、分かりやすくなっています。

(「正直、堅苦しくて何が書いてあるのか良く分からない。」そんな報告書が割と標準です。)

インスペクションの費用は?

・マンションなのか戸建なのか

・面積は広いのか狭いのか

・戸建の場合は床下や天井裏も検査するのか

 

などによって価格のばらつきがありますが、【5~10万円)が相場です。

 

高いと捉えるか、安いと捉えるか…

納得のいくインスペクションであれば、私は安いと思います。というか、上記の一件から、そのように思うようになりました。

まとめ・個人的見解

このように、多少物件によるところもありますが、インスペクションをお勧めしています。

 

ただ、課題にあるように費用が掛かるので簡単に普及していくものでもないと思っています。

 

ここに関しては、【国単位でインスペクションに関する補助金や税制優遇などを講じて、もっともっと普及を目指していくべき】だと個人的には思っています。

 

以上、インスペクションのススメでした。

素晴らしいインスペクターのご紹介も可能ですので、ご希望される方はお気軽にお申し付けくださいね。